徹底解説!株式会社の設立の流れ10ステップ

この記事では、株式会社設立の流れを徹底解説します!

株式会社の設立の流れは、下記10ステップです。

この各STEPは流れになっており、それぞれを同時進行で進めることは残念ながらできません。例えば、登記申請は定款認証の後でしかできませんし、出資金の払い込みも期間が決まっています。

STEP1 会社設立日を決める
STEP2 会社設立事項を決める
STEP3 事業目的をチェックする
STEP4 印鑑を作成する
STEP5 定款を作成する       
STEP6 定款を認証する        ——ここまで1週間
STEP7 出資金を払い込む      
STEP8 登記申請書類を作成・申請する ——ここまで1週間
STEP9 登記完了!!        ——ここで1週間
STEP10 税務関係の手続き

手続きにかかる日数は、標準的なスピードで、

STEP1~STEP6で1週間ほど、
STEP6~STEP8で1週間ほど、
STEP9 で1週間ほど、

全体で設立まで1ヶ月ほど、となっています。

最短でSTEP1~STEP8までを1週間ほどで作ることも可能です。
STEP9は法務局(登記所)の作業時間ですので1週間より短縮はできません。

STEP1会社設立日を決める

会社設立日をいつにするか、したいか、決めていますか?社長の誕生日や記念日、大安、末広がりの8の付く日など、こだわりがありますか?

会社設立日は、STEP8の法務局(登記所)へ登記申請書類を提出した日になります。そのため法務局(登記所)が空いていない、土日祝日を会社設立日にすることはできません。登記申請日をいつにするか決めてから、そこから逆算して会社設立の作業を始めると良いと思います。

 

~ここで豆知識~ 6,000円の節税!?

法人では「法人住民税の均等割(きんとうわり)」と呼ばれる、決算内容にかかわらず赤字でも黒字でもかかる税金を納める必要があります。多くの中小企業の場合12ヶ月で7万円、1ヶ月未満の部分を切り捨てて計算します。

事業年度を月末とする場合、登記申請日をある月の1日にすると、この「均等割」が1期目からまるまる12ヶ月分の7万円かかります。月の途中を設立日とすると1ヶ月未満の部分を切り捨て11ヶ月分の64,100円の均等割を納めることになります。

 

STEP2会社設立事項を決める

設立内容で決めなければいけないことは、主に以下の8つです。ここで決めた内容は、定款を作る際に必要になる事項です。

会社設立事項 内容
会社名(商号)

会社の正式名称
社名の前後には必ず「株式会社」の文字を入れなければなりません
⇒会社名の決め方のポイントはこちら

本店所在地

会社を登記する住所のこと。
自宅や、新たに借りる事務所、バーチャルオフィスの住所など。
⇒本店所在地に決め方のポイントはこちら

資本金

これから事業を行う際の元手。
1株あたりの発行価額、株数、株式の種類(普通/譲渡制限)も決めます
資本金を1,000万未満にすると消費税が2年免税になります。
⇒資本金の決め方のポイントはこちら

設立日
→STEP1で決定

大安にする、誕生日等の記念日にする、末広がりの8の付く日にするなど。

会計年度(事業年度)

法人にとっての1年間のこと、決算月を決める
⇒事業年度の決め方のポイントはこちら

事業目的
→STEP3でチェック

実際に行っていく事業内容だけでなく、将来付随して行うであろう事業内容も含めて記載する。
許認可の申請も視野に入れる。
⇒事業目的を決める際のポイントはこちら

株主の構成(発起人)

株主とは株式会社に出資した出資者のこと。
発起人とは株式会社の設立企画に参画した者のこと。

役員の構成

一人で起業する場合には、自分が役員・代表取締役になります。
ビジネスパートナーが複数いる場合には、その中から代表取締役を選任します。





STEP3事業目的をチェックする

事業目的は、将来の事業拡大を見据えつつ、会社の事業内容をカバーしたものを最初の定款にしっかり記載しておくことが望ましいです。

事業目的は、STEP5で作成する「定款(ていかん:会社のルールを定めたもの)」に絶対に記載しなくてはならない事項であり、変更するためには株主総会を開いて定款変更決議をしなければいけません。金融機関から融資を受ける際にも、最初にチェックされる大事なポイントです。

<許認可が必要な業種例>

業種 許認可
飲食店・喫茶店 保健所の許可が必
美容院 保健所の確認が必要
ペットショップ  保険所への届出が必要
薬局 都道府県の許可が必要
建設業 都道府県の許可が必要
酒の販売 税務署の免許
金券ショップ 警察署の許可が必要
古物販売・リサイクル業 警察署の許可が必要
中古車売買 警察署の許可が必要

これ以外にも、許認可が必要な業種は1,000以上あります。自分が行おうとしている業種について、許認可が必要か確認しておきましょう。

最後に「上記に附帯する一切の業務」という一文を入れておいておくと良いでしょう。関連する事業が制約なく行えるようになります。

 

STEP4印鑑を作成する

法務局へ設立登記申請をする際に、会社実印(代表取締役の印鑑)を届け出ます。

代表取締役の印鑑の他に、銀行印・角印・住所等のゴム印も一緒に作っておくのが通常です。印鑑は会社設立後、長い付き合いとなる大切なものです。

会社名が決まれば、「字体」や「印鑑の素材」「サイズ」などを決めて、作成します。およそ1~2週間で作成できるようです。設立登記をする時に会社印が間に合わないということにならないように早めに作っておきましょう。

また、もし発起人になる人が個人の印鑑を実印登録していないのであれば、書類作成で必要になりますので先に市役所で登録しておいて下さい。

 

STEP5定款を作成する

定款とは、会社名や事業目的など会社の基本的、重要なルールをまとめて記載したもののことをいいます。定款は、日常の業務で頻繁に使うことはありませんが、会社の全体像や組織についてのルールを定める重要なものです。

紙で作成する場合と、電子定款とする場合があります。紙の場合はSTEP6にて収入印紙4万円を貼る必要がありますが、電子定款ではその必要がありません。紙でも電子定款でも作成する段階での作業内容は同じです。

株式会社の場合、定款は公証役場で認証してもらう必要があります。STEP6に記載していますが、定款の認証は会社設立の一つの山場です。不備があると認証されません。

ある程度 “決まり文句” で記載することが求められています。例えば、住所を「1-1-1」と記載してはいけません。「一丁目1番1号」と書かなければいけない決まりです。

Download (DOC, 38KB)

定款の内容は、大きく分けると以下の3種類あります。

5-1.絶対に記載しなければいけない事項(絶対的記載事項)
5-2.記載すると法的な効力が発効する事項(相対的記載事項)
5-3.必ずしも記載しなくてもよい事項(任意的記載事項)

5-1.絶対的記載事項

絶対的記載事項は、以下の6項目で一つでも欠けていると定款自体が無効になり、公証役場の認証を受けることができません。

<絶対的記載事項6項目>
 ①商号
 ②事業目的
 ③本店所在地
 ④設立時資本金
 ⑤発起人の氏名または名称と住所
 ⑥発行可能株式総数

5-2.相対的記載事項

相対的記載事項は、記載しなくても定款は法的に有効ですが定款に記載してはじめてその項目が法的な効力を持つ事項です。

<相対的記載事項(例)>
 ・株式の譲渡制限について
 ・取締役の任期
 ・現物出資について

株式の譲渡制限について、将来会社にとって望まない相手に株式が譲渡されないように、株式の全部またはある一定の種類の株式について譲渡制限をつけることができます。また譲渡の承認をする機関についても株主総会や代表取締役など定めておきます。

取締役の任期は原則2年と決まっていますが、株式に譲渡制限がある会社の場合、定款に定めることによって、最長10年まで伸ばすことができます。

5-3.任意記載事項

任意記載事項は、定款に記載しなくてもいい事項のことです。

定款以外の取締役会決議などで決めることもできますが、定款に記載すれば会社のルールとして株主や会社の機関を拘束する効力があります。いったん定款に定めてしまうと変更するには株主総会で定款変更の決議が必要になります。

<任意記載事項(例)>

 ・会社の事業年度
 ・公告の方法
 ・設立時取締役の住所氏名

 

STEP6定款を認証する

定款を作成したあとは、定款認証の手続きをします。定款は公証人の認証を受けて、はじめて法的な効力を持ちます。

公証人役場は全国各地にあります。定款認証手続きは設立しようとする会社の本店所在地と同一の都道府県であればどこの公証人役場で行っても構いません。(役場の場所は→日本公証人連合会

公証人役場では、発起人が作成し、記名・押印した定款の記載に間違いがないか確認して認証してもらいます。そのため原則として発起人全員が定款の認証に立ち会わなければなりません。やむを得ず立ち会えない場合は、代理人を立てて委任状に実印を押印し提出します。

<公証人役場に持っていくもの>

・定款3部
・発起人全員の印鑑証明書 各1通
・発起人の実印(代理人に委任する場合は代理人の実印も)
・定款の認証に必要な費用(定款認証手数料5万円、紙の場合は収入印紙4万円)
・定款の謄本交付手数料(1通につき250円)

定款は3部用意し、そのうち1部は公証役場に控えとして残されます。

この控えとなる定款に収入印紙を貼ります。公証役場に残す定款は「原本」として課税されるためです。(戻される2部の定款は、それぞれ法人で保存する原本とコピーという扱いになり、課税はされません)電子定款の場合は収入印紙は不要です。

 

STEP7出資金を払い込む

定款が無事に認証されたら、資本金を払い込みを行います。定款には「一株がいくらで各発起人が何株分を出資するか」などを記載しました。これに基づいて資本金を払い込みます。

 Question) どこにお金を振り込む?

 Answer) 発起人(株主)の個人口座です!

会社の資本金なので会社の通帳に振り込みをしたいところですが、会社の通帳は、会社設立後でなければ作れません。

株主が自分1人の場合は、「自分で自分の口座に」振り込みます。このとき、残高が資本金になるように振り込むのではなく「資本金にしたい金額を」自分の口座に振り込みます。

例えば、資本金100万円にしたければ、(残高が100万円になるようにするのではなく) 100万円ちょうどの金額を振込人の名前が印字されるように振り込みます。

振り込みが記載されている通帳ページのコピーが「払い込みの証明」になります(④)。払込みがあったことを証する書面の作成には、これとは別に、通帳の表紙(②)と金融機関名・支店名・口座番号・口座名義人が記載されたページ(通常は通帳の表紙の裏面)(③)のコピーも必要になります。

<払込みがあったことを証する書面の作成方法>
払込金総額、払込があった株数、日付、本店所在地、社名、代表者名を記載し、会社の実印で押印します。日付は、発起人全員の出資金の払込が済んだ日以降の日を記載します。この書面(①)と、さきほどの通帳表紙(②)と表紙の裏面(③)のコピーと振込をした通帳ページ(④)とをホチキス等で綴じます。

ホチキス等で綴じた後、各ページを会社の実印で割印します。

 

STEP8登記申請書類を作成・申請する

資本金の振込みが終われば、法務局に提出する書類の作成と提出(申請)です。法務局とは登記関係の仕事を行う役所で、この法務局に認められると会社が設立します。法務局に書類を提出した日が会社設立日となります。

設立の方法によっても必要書類が変わりますが、法務局に提出する書類は通常以下のとおりです。

・定款
・設立登記申請書
・発起人の同意書
・設立時取締役の就任承諾書
・代表取締役の印鑑証明書
・本人確認証明書
・払込みがあったことを証する書面
・印鑑届出書

ひな形は以下のファイルを参考にしてください

Download (DOC, 62KB)

Download (PDF, 120KB)

各書類についての説明は以下のとおりです。

書類 内容

定款
→STEP5,6

STEP5で作成し、STEP6で公証人により認証をうけたもの

設立登記申請書

たくさんの提出書類の「表紙」としての役割があります。
「登記すべき事項」は、登記する内容を明らかにする部分で申請書に直接記載せず、別紙OCR用紙を作成するか、CD-Rなど磁気ディスクにより提出します。

発起人の同意書

株式会社の設立手続きの際にこれらの事項を決定した旨の書類
本店所在地と定款作成日付を記載します。
発起人の住所氏名と実印で押印します。さらに捨印を押印しておくと登記手続きの訂正をスムーズにすることができます。

設立時取締役の就任承諾書

設立する会社名を“御中宛て”で記載、
選任された旨と承諾をした旨を記載し、日付は定款作成日を入れます。
設立時代表取締役は選任ではなく「選定」です。
就任承諾した者の住所と氏名を記載し、実印を押印。

印鑑証明書

代表取締役の印鑑証明書
代表取締役の住民票がある市区町村で取得します

本人確認証明書

役員の印鑑証明書または住民票など

払込みがあったことを証する書面
→STEP7

資本金が確かに払い込まれたことを証明する書類
書面と通帳コピーを綴じこんで作成する

印鑑届出書

会社の代表社印の登録のために必要な書類
代表取締役個人の実印を押印し印鑑証明を添付します(設立登記申請と同時に提出すれば添付省略)

 

STEP9登記完了

法務局(登記所)に登記申請をすれば、その場ですぐに会社の設立が認められるわけではありません。提出後、登記官によって審査がされ、書類に不備があった場合は補正(訂正)を求められます。補正の結果が出る日のことを補正日と言いますが、申請した日から補正日まで1週間ほどかかります。問題がなければ約1週間で補正日になり、会社の設立が正式に認められることになります。

 登記が完了すると登記簿謄本と印鑑証明が手に入ります。

登記簿謄本や印鑑証明は、会社の通帳を作ったり事務所を借りたり税務署への届出をしたりする時に必要になるものです。銀行口座を開いたり、事務所を契約したり、あなたの株式会社を本格的に始動することができます!

 

STEP10税務関係の手続き

株式会社の設立自体は、法務局で申請書を提出して完了ですが、実際に会社の運営を始めるにあたって、税務や社会保険、労務関係のために各種届出の提出が必要になります。設立後の税務業務をお願いする税理士を探しつつ、相談すると良いでしょう。(弊社の顧問先では、内容をお伺いした上で届出の提出を無料で代行しています。)

10-1.税務上必要な届出

税務署や都道府県等に対して、一般的には以下の届出を行います。

届出の名前 内容
法人設立届出書

設立した会社の概要を税務署や都道府県や市町村に知らせるための書類。すべての会社で必須。設立届については、税務署だけでなく、都道府県税事務所及び市町村役場にも提出が必要になります。

青色申告の承認申請書 青色申告をするために提出しておくべき書類。税務上の特典を受けるためには提出が必要になります。
給与支払事務所等の開設届出書 役員賞与や従業員の給料を支払う場合に必要になる書類。
源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書 源泉徴収を毎月ではなく年2回の納付にして創業後の負担を軽くするために提出する書類。

 

会社の業務内容によっては以下の届出の提出も必要になります。

届出の名前 内容
棚卸資産の評価方法の届出書 会社の在庫商品の計算方法を届出る書類
減価償却資産の償却方法の届出書 減価償却の方法を届出る書類
消費税に関する届出書 資本金1000万円以上の場合など、1期目から消費税が課される場合に必要になる書類

届出を提出する所轄の税務署はこちら(国税庁HP)で調べられます。

税務署への届出用紙には「法人番号」を記載する欄があります。設立登記完了から1週間程度で会社の本店所在地に法人番号指定通知書が送付されてきます。

設立後に取得した登記事項証明書の上部に12桁の会社法人番号の記載があります。この12桁の前に1桁の検査用数字(チェックデジット)を加えた13桁の番号が法人番号です。チェックデジットの計算方法はこちらで確認できます。

10-2.社会保険の届出

社会保険(健康保険・厚生年金)や労働保険(労災保険・雇用保険)に関する書類は、その内容によって提出先や期限が異なるので注意が必要です。提出書類はすべて管轄の官公署などで無料で入手できます。

常時従業員を使用する事務所は厚生年金及び健康保険の加入が法律で義務付けられています。事務所所在地を管轄する年金事務所に以下の書類を提出する必要があります。管轄する年金事務所はこちら(日本年金機構)で確認できます。

提出する書類 提出期限
健康保険・厚生年金保険新規適用届 事実発生から5日以内
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 事実発生から5日以内
健康保険被扶養者(異動)届 事実発生から5日以内

 

10-3.労働保険の届出

従業員を1人でも雇用した場合、労働保険に必ず加入しなくてはいけません。労働保険とは労働者災害補償保険(労災保険)と雇用保険とを総称した言葉です。所轄の労働基準監督署はこちら(厚生労働省)、公共職業安定書はこちら(厚生労働省)で確認できます。

提出先 提出する書類 提出期限
所轄の労働基準監督署 保険関係成立届 保険関係成立から10日以内
概算保険料申告書 保険関係成立から50日以内
所轄の公共職業安定所 雇用保険 適用事業所設置届 設置の日から10日以内
雇用保険 被保険者資格取得届 資格取得の事実があった日の翌月10日まで

 

まとめ

長文になりましたが、株式会社設立の流れを説明しました。いかがだったでしょうか?

実際のところ、ここまでの内容を見て、「自分で会社設立するのは難しい」と思われた方も多いかもしれません。そんな時はぜひ、専門家を利用してみてください!手間を省くことができるのはもちろん、正確に手続きを行うことができますよ!