会社設立時の資本金の決め方!知っておきたい7つのポイント

これから会社を設立しようとしたとき、「資本金の額をいくらにしたらいいか?」考えると思います。

資本金は1円でも会社を設立することができます。しかし、資本金の額は、これから運営する事業の元手で、信用面にも影響する重要な事項です。設立後のことを見据えて資本金の額を決める必要があります。

そこでこの記事では、会社設立時の資本金の適正額はいくらなのか?どんな視点から資本金を決めればよいか?解説していきます。

1.運転資金の3~6ヶ月分が一般的

会社設立後すぐに事業を開始しても、すぐに売上入金があるとは限りません。すぐに入金される場合もあれば、入金が翌月、翌々月になる場合もあります。

事業を始めて初めての売上金の入金があるまでに、通常、商品の仕入、家賃、備品の購入・広告宣伝費・人件費の支払いなどの支払いが先行します。そこで、売上金の入金があるまでに事業に必要な経費等を資本金でまかなう必要があります。

業種にもよりますが、3ヶ月~6ヶ月分くらいの運転資金を用意するのが一般的です。創業前に資金繰り計画を立て、売上入金が入るまでに必要な資金を計算し、資金が不足しないよう、資本金の額を算定しましょう。

会社の資金を大きくする方法として、役員個人から借入を使う方法もありますが、銀行融資を受ける場合には役員個人からの借入金が大きな金額になっていることは望ましくありません。

 

2.額が大きいほど信用面で有利

資本金の額は会社謄本に記載されます。会社の謄本は誰でも簡単に取得することができます。謄本には、資本金の他にその会社の本店の所在地、役員の氏名、事業目的、代表者の住所などが記載されています。

新規取引を始める際には、謄本を取得し、相手がどんな会社なのか調べることも少なくありません。取引先はこの会社と安心して取引ができるか否か判断します。

最低資本金制度がなくなり1円から会社設立できるようになりましたが、新規取引の際に謄本を取得してみて資本金が極端に少ない場合、財務的に不安定で、信用力が弱い会社とみられる可能性があります。資本金の金額が大きい方が信用度は高まります。

 

3.融資希望額の半分が目安

金融機関からの融資を受けたいと考えている場合、創業融資で申請したい希望額に合わせて資本金を決めていく必要があります。創業融資の要件の中には自己資本金額があるためです。

例えば、日本政策金融公庫の新創業融資制度では、自己資金の2倍までとなっています。創業時に200万円の融資が必要な場合は、少なくとも自己資金が100万円なくてはなりません。

ここでいう自己資金とは、資本金と必ずしも一致しません。

自己資金とは後日に誰かに対して返済する必要がなく、現実に手元に銀行預金などの形で準備できているお金のことです。もちろん、資本金の金額が大きいことは一つの評価基準にはなります。ただし、資本金は会社設立後であればいつでも自由に引き出すことができるため、資本金の額が大きいからといって、自己資金があるとは言えないこともあります。

 

4.許認可を取得できるか?

許認可を取得する必要がある事業の中には、資本金がいくら以上ないと取得できないという許認可があります。例えば、建設業(一般)許可は、自己資金500万円以上ないと取得できません。

許認可が必要な事業をする場合は、許可の取得に必要な要件を事前に確認をしなければなりません。

 

5.節税:1,000万円超は消費税が免税にならない!

資本金の金額が1,000万円を超えるか否かで消費税の納税義務が変わってきます。消費税の節税という観点では、資本金の額は1,000万円未満にするのが良いでしょう。

会社設立時に資本金の金額が1,000万円を超えない場合、設立後1期目は消費税の納税義務が免除されます。2期目は条件付きで免除されます。それ以降の事業年度は、簡単にいうと「2年前の課税売上の金額が1,000万円を超えている場合」に消費税が課税されます。

消費税判定の例)

第1期の課税売上が1,500万円だった場合 → 第3期から消費税あり
第1期の課税売上が800万円だった場合 → 第3期は消費税免税

2期目は資本金の条件に加えて、以下の2つの条件がプラスされます。

2期目に追加される判定条件

  • 1期目の上半期の課税売上が1,000万円を超えないこと
  • 1期目の上半期の給与支払額が1,000万円を超えないこと

消費税判定の例)
第1期の上半期の課税売上額と給与支払額が1,000万円超 → 第2期は消費税あり
第1期の上半期の課税売上額が1,000万円以下 → 第2期は消費税免税
第1期の上半期の給与支払額が1,000万円以下 → 第2期は消費税免税

輸出売上や住宅の家賃収入は消費税がかからず、上記の課税売上額には含まれません。

なお、会社設立時の消費税の納税義務はあくまで「資本金」の金額に基づいて判断し、「資本金準備金」とした金額は含みません。

よって、例えば、資本金を999万円、資本準備金999万円として設立時の会社資金を合計1,998万円としても、消費税免税となります。(会社法上、資本準備金は「出資したお金の2分の1の金額まで」と決められています。)

 

6.節税:設立時の登録免許税が異なる!

法務局(登記所)での設立登記の手数料として、登録免許税を納める必要がありますが、この登録免許税の金額は資本金の金額によって納める登録免許税が変わります。

登録免許税は株式会社の場合15万円または資本金の金額×0.7%のいずれか大きい金額、合同会社の場合6万円または資本金の金額×0.7%のいずれか大きい金額と決められています。

株式会社で約2,143万円、合同かいしゃで857万円が基準の境目になっています。

登録免許税の計算例)
資本金の額が2,000万円の株式会社の場合 → 15万円
資本金の額が2,200万円の株式会社の場合 → 資本金の金額×0.7%=15.4万円
資本金の額が800万円の合同会社の場合 → 6万円
資本金の額が900万円の合同会社の場合 → 資本金の金額×0.7%=6.3万円

7.節税:1,000万超は法人住民税均等割の負担増!

会社を設立すると法人税等を納める必要があります。いくつかある法人税等の種類の中で、法人住民税の均等割と呼ばれる税金は、会社の決算内容によらず赤字でもかかる税金です。

例えば、東京23区内に事業所を持つ事業者(従業員50人未満)は、資本金が1,000万円を超える場合には18万円、1,000万円以下の場合には7万円の法人住民税の均等割がかかります。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?設立時資本金を決める際の疑問点が解決できましたら嬉しいです。資本金の額が1,000万円を超える場合、かかる税金も変わってきますので注意が必要です。

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